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―――桃太郎の家
夜になってやっと辿りついた長老は、窓から灯が漏れているのを確認してからインターホンを押しました。
♪ピンポンパンポン
長老はこの音が迷子のお知らせでは無くインターホンの音だと気付くのにそう長くは掛かりませんでした。
インターホンを鳴らしてから一時してお婆さんが出てきました。
「こんばんは。長老さん。こんな遅くにご苦労様です。さあさ、中にお入り下さい。汚いところですがね。」
とお婆さんが言ったので、長老は遠慮なくお邪魔することにしました。
中に入ると、ダンボールが壁1面に詰まれていて、いつ崩れて来てもおかしくない状況でした。
長老は、早く帰りてぇと思いつつも辛うじて用事があってきたんだというコトを思いだし、話を始めました。
「実はですね、近頃村に【鬼哦縞】というテロ組織が来て爆弾テロを仕掛けられる事件が相次いで起こり、崩壊寸前までやられているということはご存じかと思います。そこで我々は《鬼哦縞対策本部》というのをたてまして、対策を議論しました。その結果、そちらの桃太郎さんに逆テロを仕掛けて貰うということになりまして、こうしてお願いに参ったという訳なんですよ。」
と長老が説明しました。
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