プロローグ

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「いい加減に認めたらどうなんだ!!三好!!」 どこぞのテレビドラマの刑事が吐くようなセリフ。 言葉にもならない怒声が右耳から流れ、左耳をすり抜けていく。 室内はほとんど日が当たらなく、ひんやりとした空気が全身を伝う。 人口的に作られたものじゃないか、と嘲笑する自分が心の中に居る。 「お前だろ!!陸上部の部室から金を盗んだのは!!あそこは人目につかないもんな!!」 「しつこい、あたしじゃないって言ってんだろ」 「嘘もいい加減にしろ!いいか!!外部犯の犯行じゃなければ内部しかいないんだ!!こんなことを学校でするのはお前しかいない!!」 理不尽な言いがかりというのはこのことだろうか。頭を頑なにする教師達を尻目に小さくため息を吐いた。 なぜ自分はここに居るのだろう。三十分前の自分を思い出してみることにした。 .
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