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「そうですか。僕は欲しい本があったのでそこの本屋に」
指差す先の本屋を見やり、それから古泉を見れば確かにその手に紙袋が抱えられている。
漫画なんてガラでもなさそうだし参考書とかだろうか。
にしても。
「…せっかく珍しいSOS団の休みなのに、お前に会うなんてな」
やれやれ、思わずため息をつく。
「おや、僕は貴方に会えて嬉しいですよ?」
対する古泉は無意味に良い笑顔だ。
「…言ってろ」
やたらに近い距離といい、ストレート過ぎて逆に信じがたい歯の浮くような台詞といい、こいつの冗談にいちいち付き合ってられない。
そう思って踵を返せば
「おや、どちらに?」
「コンビニでも寄って帰る」
「なるほど」
許可も得ずに古泉も並んで歩き出す。
断る程の事じゃない、がこいつと2人休日の街を歩くのはなんだかやりきれず、文句の代わりと言っては何だが大袈裟なため息を吐いてしまった。
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