序章 決意の夜

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辺りは静かになった。 どれほど時間が経っただろうか。 娘は気が気じゃなかった。 父上と母上が負けるはずがない。 そうは思っていてもその頭の片隅でもしかしたら…と思ってしまう。 娘はその考えを頭を振って打ち消した。 そのとき、家の扉が開かれた。 「御用改めである!」 そのよく通る声は娘に衝撃を与えた。 御用改め…? まさか…! 刀と刀が交わる音がする。 人の呻き声も聞こえる。 娘は恐る恐る押し入れの襖を少し開けた。 娘は血の海を見た。
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