窓の向こうの君へ

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通勤電車。 私は電車に体を揺られながら 電車の扉の前に立っていた。 この電車は横長の椅子ではなく 2人まで座れる椅子が 向かい合ってるタイプの電車なので 席が少し空いていても なかなか座る気が起きないのだ。 サラリーマンの私の脚に かなり負担がかかる。 ガラス越しに町の景色が見える。 山は一つも見えない。 ただ冷たい灰色の建物が 広がってるだけだった。 故郷の景色が懐かしく思えた。 この時季、紅葉がとても綺麗なのを ハッキリと覚えている。 朱く情熱的で 黄金色に輝く木々の葉が 山中に広がっており 目の疲れを癒してくれた。 今は都会にいるため なかなか山を見ることがない。 私は癒やしが欲しかった。 不特定なリズムに感じる 電車の揺れが足腰にくる。 デスクワークなので 最近かなり腰が痛い。 まだ若い自分が情けなくなった。  
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