通い

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「すみません」 カウンターの後ろにつまれている本を整理している、職員の方に声をかけた。 「はい」 と優しい返事をして振り向いた職員をみて 「あ!」 と、思わず声を出してしまった。 職員の方は昨日の男の人だった。 男の人が私の顔を見て、思い出したような表情をうかべ 「こんにちは。 昨日ぶつけてしまったところは痛みませんか?」 と心配そうな目線を向けてきた。 心配され、ついつい慌ててしまい両手をぶんぶん振り、顔も左右に振って 「だ、大丈夫です!」 と大げさに否定してしまった。 そんな私を見て、職員の方はクスクス笑いながら 「それはよかったです」 と、優しい声をかけてくれた。 思わず慌ててしまった自分に、顔が赤くなるのを感じながら 「あの……本を探しているのですが……」 と聞いてみた。
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