通い

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次の日、そんな立花さんのすごさを聞いてから、ついつい立花さんを目で追ってしまう。 そんでもって、こっそり拝んでしまったり。 賢い人の頭の中ってどうなっているんだろう? たっぷりつまっているんだろうなぁ。 ぽこっと自分の頭を叩いてみる。 なんか、頭の中よく音が響くような気が……。 もしや、私の頭の中ってカラッ……。 いやいやいや。 と、思いっきり首を振っていると、クスっと笑い声が聞こえた。 声のする方をみると、声の主は立花さんで、拳を口元にあて笑いをこらえていた。 お馬鹿なところを見られたのが恥ずかしくて、顔を赤くしつつ手元にあった本で顔を隠した。 そぅっと本を置くと、立花さんがそばに来て 「笑ってすみません。 可愛らしかったもので、つい……」 と、頭を下げてくれてしまったので 「いいえいいえ、私でよければ、どんどん笑って下さい」 と可笑しな事をいってしまい、また立花さんの笑いをとってしまった。 なんか笑顔が可愛い人だな。 男の人に可愛いって失礼かもしれないけれど、笑っている立花さんを見て、なんとなくそう思った。
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