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「何とか日が暮れるまでに終わったか」M君は駐車場から家に向かうと…今朝と同じ所に少女が立っていた。
「?今朝会った子供か?」M君はとっとと帰って疲れを癒したい気持ちを抑え、話かけてみた。
「どうした?迷子か?」
少女は黙っている、何処かで見た事あるような気もするが、気のせいだろうか?
M君はもう一度尋ねた。
「おうちは何処にあるんだい?何ならお兄ちゃんが送ってあげるけど」
少女はまた黙っている。かなり身長の低い子供で、三歳位だろうか?何か古いあかずきんをかぶっている、今時珍しいな。
とにかくこのまま放っておくのも可哀想なので…仕方ない、
とりあえずうちに上げよう、暖かいものでも飲ませてそれから家を探したほうがいい。
M君は少女を自室に入れた。
何かキョロキョロしてるな、ま~珍しい物なんて何一つない寂しい部屋なのだが…
とりあえず甘いココアを2つ作って少女の元に持っていった。
「ほら、これ飲んで少し落ち着きなって、
温かいぞ」
M君もとりあえずは一息つけた、実際疲労困憊なのである…
少し間をおいて少女に尋ねてみた。
「なあ、お父さんやお母さんのいる家は何処にあるかわかる?」
少女はここにきてやっと言葉を発した。「…ここ、来たことある…」
前に住んでた事でもあるんだろうか、
「じゃあ、ここのアパートの部屋の何処かが君のおうちって事?」少女は首を降った、
「…ううん、ここ、ここに来たことある」フゥ、これじゃ埒があかないな、交番に連れていった方がいいかもな、「わかった、とりあえずお兄ちゃんと一緒にお巡りさんの所に行こう」
M君は立ち上がり、少女の手を取って玄関に向かった。
「…ヒタヒタ…」
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