第八章

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「ん?」 足音がしたのでM君は振り返った。 見ると少女は裸足だった。 家族の人から靴下くらい貰えなかったのだろうか? 少女は気にもせず玄関のドアの前に立つ。 そして必死に手を伸ばしていた、どうやらドアノブに届かないようだ。 「・・・届かない・・・ねえお兄ちゃん、開けてよ・・・」 M君も靴を履き、ドアを開けて外に出た。 もうさすがに真っ暗だ、子供が出歩く時間じゃないな・・・ M君は少女と交番まで足を運ぶ・・・ と、ふと思いだした、「ヤバイ、カギかけ忘れた」 M君はポケットにカギがある事を確認し、 「ゴメン、すぐ戻るからここで待っててくれる?」 少女にそう告げて一端家に戻った。 大して遠くに行く訳でもないのだが、戸締まりだけは習慣になっているので、キッチリやらないと気がすまないのである。 窓を確認し、玄関まで来た所でM君は少し違和感を感じた、 何か湿っぽい・・・ 別に大したことではないが、さっきそこを歩いた少女の足跡がまだクッキリ残っていたのが印象に残った。 M君は急いで元いた場所に戻る。 すると、そこには少女の姿はなかった。 「ったく、じっとしてろって伝えたのに・・・」 M君は仕方なくそこいらを軽く探してみた、だが結局見つかる事はなかった。 仕方なく家に帰り、適当に夜食を済ませ、寝ようと思った時、カーテンが閉まりきってない事に気付き、眠気眼で玄関の方に向かう。「・・・ん?・・・」何か視線を感じる、また大家のアパートの方だ、でももう眠気も限界に近づいてたので、確かめもせず、さっさと寝る事にした・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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