あたしは王女様

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  あたしは近くのファミレスに2人を連れ込んだ。 のこのこついてくるなんて、本当にバカじゃないの。 とりあえずドリンクを頼む。 「タカシくん…。酷いよ…二股かけてたなんて…!」 2人がひそひそと話してるのをよそに叫んだ。 店内中に響き渡るような大きい声で。 こういう時は演技が凄く役に立つ。 大粒の涙を、ボロボロと流してやった。 「ちょ、何泣いてんだよお前…っ」 「春奈ちゃんは良いの?!…タカシくんに、騙されてたんだよ…私たち」 周りから見たら、タカシは相当な悪者になってる。 そしてあたしは、可哀想な、純粋な子。 「だ、騙されてたのはあんただけでしょ!うちが本命に決まってるんだから」 春奈は本気に取っちゃったらしい。バカだね。 あたしは小声で言った。 「王女様にそんな口きいちゃうんだー」 途端に、春奈の顔がひきつる。 あーあ、不細工。  
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