第二夜

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勉強も携帯も手につかないうちに、いつの間にか夕食の時刻になったが食も進まずボゥッとしていた。   なにやってんだろな。 何も手につかないでやんの。馬鹿だよな私も。 あの返信をよこしたことによってこの話は奴の中ではとっくに解決されているはずなのに。   再び勉強を始めるものの気付くと同じ文を何度も繰り返し読んでいた。   今日は駄目だな。 やっても意味ない。 何かすることを諦めて部屋に行くことにした。   まだ妹も母も寝ていないのか、今日の廊下は暗闇に包まれているはずなのに昨夜の静けさは欠片も見当たらなかった。   妹と母の楽しそうな声が少しだけ響き、何故か虚しさがいっそう深みを得た。   部屋に入るといつものように静けさに満ちていた。私もその静けさの一部になろうと心を無にしていると時計の秒針の音だけが聞こえてきた。   すると考えないようにしていた雑念が一気に溢れ、襲ってきた。     虚しさ 哀しみ 淋しさ     仲が良い友人から心配のメールも電話もきた。 でもすがることはできなくて、悪い気持ちばかりが顔を出す。   あー…何をやっても駄目だ、もう寝よう。
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