2008年を生きるすべての人に贈る

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外に出ると、今年最大の寒波のせいか身を切り裂くような風が吹いていた。見慣れた街の景色も今年最後の景色と思うとどこか美しく見えてくる、といいのだがそうはいかない。 箱、そう箱だ。あの箱どうしよう。パンドラの箱は開けないほうがいい事の例えにも使われるくらいだから開けないほうがいいんだろうか。でも、サンタクロースからのメッセージは明らかに開けろといっているようなものではないか。でも、こんな夢みたいなことめったにないし…。 よし、開けよう。どうせなら今年のうちに開けたほうが得なんじゃないか。今から今年の競馬の結果を調べて戻れば大金持ちになれるし、単位を落としたテストだってもう一度受けられる。今度は同じ問題だから単位を落とすようなこともないしね。 そしてクリスマス、彼女を引き止めることもできたかもしれない。もし駄目だとしても、二年半の終わりにはもっとドラマチックな最後があるんじゃないだろうか。 家に帰ったらすぐ開けよう。よし、さっさと買い物なんかすませて家に帰ろう。スーパーについた僕は店内を小走りで買い物を済ませ家路を急いだ。
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