出会いは雪の降るあの日

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最悪な出逢いだった 彼女はふてくされて布団に潜りっぱなしだし つか39度の熱だして頭怪我するってどういう事だよι   「………むぅ…」   ながい沈黙を破ったのは彼女の鳴き声だった 苦しいのかどうかは分かりにくい声だったけど   「……どうした…?」 「……酒……」 「……は…?」   初めて言われた事が酒ってなんだよ… と思いつつ深く追求してみた   「酒…が……どうした?」 「飲みたい…酒…」   ……どうやらただのアル中のようだ   「お前今風邪引いてるんだぞ?…まぁ…卵酒くらいなら…」 「……すまない…」   か細く呟く彼女を見て、俺は苦笑し別にと答えた   俺は台所に行き卵酒を作ろうと準備した   「よし……後は……?」   ふと背後に気配を感じ、恐る恐る振り向いて見る   「ん……気にせずつづけてくれ…」   彼女がへらへらと笑いテーブルについていた 飲む気満々らしい とりあえず卵酒を飲ませながらいろいろ聞いて見るか…   「なぁ…アンタ名前は?」 「……雪だ…」 「俺は鼠人だ……アンタは一体なにをしようとしてたんだ?」   雪は少し黙っていたが、すぐに話してくれた 雪は一人で日本を旅しているらしくここ最近は宿を見つけられずにいたせいか 寒さにやられて風邪を引いてしまったらしい
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