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小さい頃から、貴方はお月さまが好きだった。
私は
そんな貴方が好きだった。
私は貴方を兄のように慕っていた。
私には身よりもなく、ひとりぼっち。いつも仲間外れ。
そんなとき、ただ一人優しく声をかけてくれたのが貴方だった、おにいちゃん。
私と一緒に遊ぶのを、口には出さないものの、おにいちゃんの親はよく思わなかったんだろう、いつも遊ぶのは夜闇の中で人の目につかないように町外れの湖とその周りのはらっぱだった。
でも私は楽しかった。
ある日、おにいちゃんと遊んでいると、湖に浮かぶ月を見ておにいちゃんは言った。
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