第一章

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    ―帝都セントクロノス― 義務教育を終えたが学力が足りないため進学できず、それゆえ就職活動にも影響が出て悩める若者が1人、あるポスターの前に立ち止まっていた。 背丈や容姿は平凡で流行に勝る劣らずの服装で佇む彼の名はサム・フランカー。 運動は苦手で体力も平凡で、おまけにクラスで1、2を争う程の怠け者であったサムは、入隊後の厳しい生活が待っていることなど考えもせず、学力に左右されず審査も楽で飯に困らないという理由で受けてみることにした。 後日― 『おめでとうございます。貴方は入隊審査にみごと合格いたしました』 就活に疲れて喉から手が出る程欲しかった合格通知を受け取り、サムは喜びのあまり最後の文の意味を深く考えず確約届けをだしてしまった。 『なお、私物の持ち込みは禁止する。後日配送される作業服のみを着用し、入隊式に参加のこと』
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