第一章

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    入隊式当日― 各地区の役場前まで式の会場である国防軍本部行きのバスが迎えに来る事になっているため、サムは身支度を済ませて役場の前で待っていた。 しばらくすると定刻通りバスがやって来た。 バスには前の地区から拾った数人の入隊者が乗っている。 サムは真ん中あたりの左側の席に座った。 会場につくまでに次々と入隊者が乗り込んでいき、席は次々と埋まっていった。 会場まであと10数分。 最後の入隊者を乗せてバスはまた走りだす。 スポーツ万能でクラスの人気者な雰囲気の若者が最後まで空いていたサムの隣の席を目指して来た。 「よろしく。俺はカイル・ハミルトン」 カイルは自己紹介をしながらサムの隣に座った。 「カイル、よろしく。俺はサム・フランカー」 どんな人が同期で入隊してきて、うまく行けるか心配だったが、早速、サムに同年代の友達ができた。 地元の話などで夢中になっている内にバスは目的地についた。 国防軍本部の庭には満開の桜が咲いていて入隊者を歓迎している。 セントクロノスだけでなく、地方から入隊する者もいて本部には何十台ものバスが停まっていた。 係の兵士に案内されて建物の中に入っていき、全員が着席すると式が始まった。 開会の挨拶から始まり、祝辞、国歌斉唱と続き、次は待ちに待った配置部署通達。 シェバド国防軍は次のように部署が分かれている。 ・陸軍  ┗普通科、機甲科、etc ・海軍  ┗航海科、機関科、潜水科、etc ・空軍  ┗普通科、支援科、etc ・航宙海軍  ┗航海科、機関科、航空科、etc 以上4部署に複数の科目がある。 航宙海軍には海軍か空軍に配属され、基礎訓練が修了する1年後の能力試験の結果次第で希望者が入隊できる。 他に特殊海兵隊としてスペースマリーンがいるのだが、陸軍の基礎訓練修了後に成績上位20%しか試験を受けることはできない。
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