ある少年の日常。

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「ぎゃふん」 席替えで隣の席になった雫子が呟いた。 「十二月初めに行われた期末テストの結果にショックを隠しきれない高砂雫子であった」 「何よその解説は。別にショックなんて受けてないわよ」 「じゃあどうしたんだ?」 「ほら、合計点数」 「点数?」 雫子の点数表を見る。 「七七八点。結構じゃないか」 「そうじゃなーい。せっかく最後のテスト七七七点で終わらせようと思ったのにぃー。あー、数Aでねばんじゃなかった」 「…………」 あえて何も言うまい。 「で、昨日の依頼はどうすんの」 「どうすっぺかなぁ」 空戸さんの言うように抽象的過ぎる。しばらくしたら冬休みだし。 「とりあえず、真萌ちゃんになんとかしてもらうつもりだけど」 「真萌ちゃんに?」 「そ。期待の新人、武紅真萌」 「ふーん」 なにやらもの言いたげな雫子。 「なに?」 「いや、ちょっと寂しいな、って」 「なにが」 「世代交代って感じで」 「……確かに」 クラス全員に点数表が渡され、「訂正のある人は言いに来てください」との連絡。 この流れもこれで最後か。  
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