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「で、誰を視ればいいんですか?」
「ほら、そこのフレンチクルーラーとチョコラスク買ってる男子」
昼休み。
ホールへ昼食のパンを買いに来た真萌ちゃんを呼び寄せ、堀切川をみてもらう事にした。
堀切川龍。
「ホリキリガワ」ではなく、「ホッキリガワ」。
仁川に調査を依頼したら、依頼するまでもなく仁川と同じクラスだった。
曰く、「平々凡々なやつだよ。最近クラスの女子と付き合い始めたみたいだけど」との事。
付き合い始めた女子というのは、やはり昨日の依頼人、越前綾香だ。
「……どこですか?」
「そこにいるじゃん。ちょっと髪長めの薄い感じの」
「……?」
「えっと……藤原基央と浮雲を足して二で割ったような」
「ああ、あの人ですか」
「そう、その人」
通じた。
「……………」
真萌ちゃんが黙る。
表情が少しだけ強張った。
「どう?」
「……すごいですね」
「すごい?」
「変」とかじゃなくて、「すごい」?
なんだそれ?
「あの、そろそろいいですか? このままだとお昼喰いっぱぐれです」
「ああ、ごめん。じゃあ、放課後に」
「失礼します」
真萌ちゃんはパンを買い求める群衆の中へ飛び込んでいった。
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