サンタ

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サンタ

【クリスマス】 僕はサンタが嫌いだ サンタは貧乏人には冷たいから。   僕はサンタなんか信じない 優しく微笑みかかるのは金持ちの子供だけだから。   僕はサンタを知らない 赤い服着た白髭のおじさんが僕を追い払うだけ。   サンタは僕を知らない 幸せそうに手を繋いで歩く親子に手を振るサンタ サンタに僕の姿は見えない。   だから僕はサンタが嫌いだ。 クリスマスが嫌いだ。 寒さで凍えた四肢に重ねて、心も凍えるから。 僕はサンタに向かって石を投げつけた。 石はサンタを避けて店のショウウィンドーの窓ガラスを破った。 サンタがこちらに走って来る。 サンタはようやく僕に気付いてくれた。 僕は満面の笑みを浮かべてサンタに手を差しのべた。 激しい衝撃に目の前が真っ暗になる。 僕は雪の上で寝転んでいた。 そうかサンタが雲の上に連れてってくれたんだ。 僕はサンタと友達になった。
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