終焉

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終焉

  夕暮れ時  公園の電灯から漏れた淡い青の残光が、そこから溢れ出すように舞い落ちる雪の結晶を不思議な煌めきで彩る時間。 背を向かい合わせに立つ二人の影。 透き通った空気が、真っ白な冷気を内包させて世界を包んでいた。 男と女。 向かい合わせに立つ二人の間には、目に見えない無数の回想と開墾が繰り返し、会話するように行き交う。 互いに言葉のないまま、繰り返される会話が、終焉に向かう未来に悲しみの冷たさを滲ませる。 互いに振り向く事なく男がその場から立ち去って行く。 少女は、背中越しに遠ざかる温もりを感じながら、想いの果てから滲み出す絶叫に、唇を噛み殺していた。 たまらず溢れ出た涙の結晶は、冬のはりつめた空気に熱を奪われ、冷たく頬を刺した。 未完成な白の世界で、溶けていく記憶の断片。 あの日の約束と、別たれた道に僕達はいた。
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