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「いたぞ!こっちだ!」
「ハァ…ハァ…」
荒い息をあげながら、森の中を走っていた人影があった。走っているのは、異形の者。人間でありながら、人間では無い。
ドン!
「ガァア!」
左肩を魔法弾で貫かれ、その場に倒れ込んでしまった。それでも生き残ろうと懸命に荒い息のもと、歯を食いしばりながら意識を紡ぎ、必死に前に進もうとする。
「仕留めたか!?」
「あぁ、手応えはあった」
「はぁ……はぁ…」
どうやら追手は自分を見失ったらしい。その中で生き絶え絶えに呼吸をしながら考えていた。
無為に長い時間だった。この世に生を受け、【魔人】として政府に命を狙われ続け、世界から嫌われ続けた。信じてた者に裏切られた。ここで終わりにするのもいいかもしれない。だが……、それはできない。
「まだだ……まだなんだ……!」
まだ終われない。復讐しなければならない相手がまだ生きているかぎり、まだ死ねない。そいつを殺すまで、死ねない!
「いたぞ!」
ガチャチャ!
魔法銃を突き付けられ、周りを囲まれた。全員が敵意ギラギラの目付きをしていた。
「こいつか……?」
「間違いない!魔人は人にも擬態出来るからな、騙されるな!」
「ちっ……!」
「構えー!」
ガチャチャ!
「撃てぇぇ!」
ドドドドドドン!
「がああああああ!」
その断末魔は森の中に吸い込まれ、消えた。
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