ウザイ邪魔し

1/2
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ

ウザイ邪魔し

彼女に恋人なんていないよ。彼女はいろんな男に人気だけどね。 今彼女と親しげに話してるあいつだって、ただのクライアントだろう。 盗み聞きはいけないが、彼女の事は全て知っておかなければいけない。僕の役割だ。 「めぐみ、今からご飯食べに行こう。」 「待ってね、財布取ってくるわ。」 「いいよ、俺がおごったげる。」 変な会話だ。 まるで彼女があの男と仲がいいみたいじゃないか。まぁ、でも僕はボジティブだからね…きっと彼女はあいつに断れないでいるんだ。 「でも、冷蔵庫の中身がいっぱいで。」 ほら見ろ。 彼女は奴の誘いを断ろうと必死だ。 「じゃあめぐみの手料理たべさせてよ。」 「えっ、恥ずかしっ!誰かに食べさせるなんて久しぶりだわ。」 「料理得意なんだろ?」 「一応ね。」 「じゃあ食べたい。」 「もう、仕方ないなぁ。」 彼女の頬は桜色で、僕には見せなかったエクボがあらわれた。 何で…どうして? 僕の方が彼女を愛してる。 彼女だって僕が一番に決まってる。 「愛してるよ、めぐみ。」 あの男が言った。僕より先に彼女に言った。 彼女の頬は桜色から赤色に変わった。 「私も…愛してるわ。」
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!