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ウザイ邪魔し
彼女に恋人なんていないよ。彼女はいろんな男に人気だけどね。
今彼女と親しげに話してるあいつだって、ただのクライアントだろう。
盗み聞きはいけないが、彼女の事は全て知っておかなければいけない。僕の役割だ。
「めぐみ、今からご飯食べに行こう。」
「待ってね、財布取ってくるわ。」
「いいよ、俺がおごったげる。」
変な会話だ。
まるで彼女があの男と仲がいいみたいじゃないか。まぁ、でも僕はボジティブだからね…きっと彼女はあいつに断れないでいるんだ。
「でも、冷蔵庫の中身がいっぱいで。」
ほら見ろ。
彼女は奴の誘いを断ろうと必死だ。
「じゃあめぐみの手料理たべさせてよ。」
「えっ、恥ずかしっ!誰かに食べさせるなんて久しぶりだわ。」
「料理得意なんだろ?」
「一応ね。」
「じゃあ食べたい。」
「もう、仕方ないなぁ。」
彼女の頬は桜色で、僕には見せなかったエクボがあらわれた。
何で…どうして?
僕の方が彼女を愛してる。
彼女だって僕が一番に決まってる。
「愛してるよ、めぐみ。」
あの男が言った。僕より先に彼女に言った。
彼女の頬は桜色から赤色に変わった。
「私も…愛してるわ。」
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