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もうすでに日は傾きかけていた     学校帰りの学生や仕事帰りのスーツ姿の大人達が横を通り過ぎて行く     町には街頭が灯りだし空にはうっすらと一番星が輝きだしていた     こんなふうに改めて空を見たのはいつ以来だろうか     明日はきっと晴れるだろうな     そんななんの根拠もないしょうもない事を考えながら空を眺めていた     時刻は調度5時をまわったぐらいだろうか     さすがに冬になると日が落ちるのは早いなと身をもって実感する     まあ時計を見ているわけではないから正確かどうかはわからないが   しかし学校帰りの今正確な時間を知る必要なんてない    そもそも自分は時間にルーズなほうだ     例え学校だったとしても時間なんて気にしない     時間ばかり気にしていたら時間に縛られるような気がして・・・     でも高校生になってまでそんな餓鬼みたいなこと言ってられない         てか高校生も立派な餓鬼か            大人達にこんなことを言えばものすごい批判をあびることになるだろう         でも高校生ならありだよな        それに時間にルーズなことは自他共に認めていることだし自分でも自覚している              なら構わないか         一人でわけのわからない理由に納得して安堵のため息をついた             「・・・寒いね」 後ろから不意に声をかけられる     しかし返事は返さずに聞き流す     いや聞き流さなければならない、か     相手が普通の人なら返事をするところだが生憎彼女はその普通から少し逸脱した存在だ   僕が返事をしたところで他の人からすれば空気に話しかけているのと同じように見えるだろう   そう、彼女には実体がない   幽霊とかそうゆうものではなくもとから存在などしていない 彼女は僕が造りだした想像に過ぎない     想像と会話してるなんて・・・       そう考えると普通ではないのは彼女ではなく自分の頭なのだとわかり少し変な気分になった   彼女が現れたのは二ヶ月程前だった
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