第八章

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智「ただいまー…」 母「あら、お帰りー。」 智香は帰るとすぐ部屋に行った。そしてベットに飛び込んだ。 智「はぁ…」 洋祐は気になるが頭には何も浮かばない。ドラマなんかでは心の声がよくあるが実際本当に悩んでいたら何も考えられないものだ。 コンコン 智「はーい…?」 母「智香、入るわよ?」 智「うん…」 ガチャッ 智「あ…」 由「お邪魔します…」 入ってきたのは由佳と莉音だった。二人は深刻そうな顔をしていた。 母「じゃ、ごゆっくりね」 智香の母はそういうとすぐに出ていった。 莉「智香…」 智「どうしたの?」 莉音は何かを言いだそうとしている。でも、なんだか言い辛そうだった。 由「あのね、智香…あたしたちさっき洋祐くんの家に行ったの。」 智「え…」 智香は驚いたわけでも無く、聞きたくないといった顔をしていた。莉音は由佳に説明をまかせ、話すのをやめて下を向いている。 由「そしたらお姉さんが出てきた。洋祐くんに会わせてって言った。」 智「うん…。」 由「洋祐くんは家にいない。今、入院してるんだって…」 入院… 智香は驚いていた。でも顔には出さないよう、自分では冷静なつもりだった。 智「え…なんで…?」 由「洋祐くん、トラックにひかれたって…。」 由佳は戸惑うことなく答える。 智「どこの病院…」 莉「すぐそこの市立…」 莉音はやっと声を発した。病院の場所を聞くと智香は走って部屋を飛び出した。二人は追い掛けず、そのまま帰った。
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