第八章

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智「(洋祐…!)」 全速力で病院に向かう。頭の中には洋祐のことしかない。 洋祐はトラックにひかれた。道路の真ん中に立っていた少年をかばってひかれた。かなりの重傷で今だに目を覚ましていない…早希が由佳と莉音に伝えたことだ。 家から病院は近くあっという間に到着した。そして近くにいた看護婦に話し掛ける。 智「あの…その…」 走ったせいなのか、それとも洋祐を心配するせいなのか胸の動機は治まらない。だが無理矢理押さえ話す。 智「田代洋祐の病室はどこですか…?」 看「あの、あなたどちら様?」 智「あ…あたしは…」 ?「洋祐のお友達です。」 右側に大人の女性が立っていた。なんだか洋祐にそっくりだった。 智「あの…」 奈「洋祐の母の田代奈緒です。あなた智香ちゃんよね?」 そこにいたのは洋祐の母だった。 奈「看護婦さん、病室につれていっていいですよね…」 看「あ、はい…」 奈緒は智香に手招きをする。智香は奈緒についていく。すぐに病室についた。 奈「あたしはちょっと行かなきゃいけないから、中で待っててくれる…?」 智「…はい」 奈「じゃ、よろしくね…?」 そういうと奈緒はどこかへ去っていった。智香は震える手で静かに扉を開く。 智「洋、祐…」
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