お金がない

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早速電話をしてみる プルルルル プルルルル プルルルル 緊張する 『はい』 掠れたような声の女の人が電話に出た 『あっ すみません 藤田の紹介で電話をしたんですが…』 挨拶を考えて電話をしたら良かったと後悔 『あぁ聞いてるよ 明日一度店来れる⁉』 『あっはい』 『場所はね ○×公園から…』 場所はだいたいわかった もともと地元だから 『はい わかりました じゃぁ明日伺います』 そぅ言って電話を切り 緊張したせいか 力が抜けた 大樹がウトウトしている 『大樹 御飯食べたら すぐお風呂に入って寝ようね』 そぅ言うと大樹は目を擦りながら頷く 義明が帰って来て 夕食の用意をしながら 『明日 面接行って来るから』 『…』 義明は露骨に嫌な顔をするケド …気にしない… …気にしてられない… 生活がかかって来るんだから… 私の運命が変わるなんて この時は考えもしなかった… ただ生活の為だけ…そぅ考えていた 次の日の夕方 私はお店に行った ビルの中にある【シュン】と言う店 そのビルにはいくつものスナックやナイトが入っているが 今はまだ夕方…シーンとして淋しい位だった 店の前に立ち 深呼吸をする カランカラン 戸を開け緊張しながら店に入る 『すみませ~ん 昨日電話した物ですが~』 …シーン… あれ⁉場所間違えたかな⁉すると 何処からかボソボソと話し声が聞こえる 『すみませ~ん‼』 さっきより大きな声で言う 『は~い』 奥から出て来たのは 多分40~50歳位のおばさん 派手なスーツ… 内心 ゲッ‼っと思った…
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