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「トマセスよ。お前さんが一体、何時から此処に佇んで居るのかは知らないが、全く何を考えているのか?」
「ほ? 何を考えてって、しかし…」
「だからのぉ。お前さんとの約束は、確か俺とお前さんの中では『夜中の10時にこの場所で』、だったはずだが? と聞いている訳だが?」
「ほ。そうだったかな? 私の素敵な懐中時計だとね。今は、夜中の9時半を過ぎた頃だよ? 君は何で居るのかね? しかし…」
「俺は時間と場所の指定がある約束は、最低30分前から20分前には、目的地に着くのよ。俺の性で他人に迷惑はもう掛けたくないんだ。知ってるだろう?」
声の主は、何か思い出したくない様に少し声のトーンを落とした。
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