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「いちいちと、影を出して語るのも疲れるね、しかし…」
罵声を浴びせたらしい。
「当初の目的よりも10分遅いな。疲れる程は余計だったがの?」
少なくとも30分間、孫の教育方針について疲れるまで話したらしい。
必要ない会話をする為に集まったのだろうか?
「移動せにゃならんのだが…、ふーむ?」
声の主が話を先に進めようとしたが、何かに気付いた様に唸った、そして男の声が段々と近くなる感じがする。
並ぶ街灯に照らされた、暗がりの金物屋兼業の店先に置いて在った高さ1mしかない樽の影から、階段を登る様に何かがゆっくりと歩く速度で、それはいきなり現れた。
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