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「ほう…。何やら引っ張って来たね? 呼び出した本人が遅い上に、ゴタゴタなんて真っ平ご面倒だよ? しかし…」 トマセス・エクテノンが、広場とは逆の北に目を向けて帽子を被り直した。 「ふーむ、俺がまるで気付かんかったよ…。可笑しいの?」 はてな? と言いながら、不思議そうに眉を上げた天然パーマの男。 「可笑しいのは君。楽しいのは彼等。か弱いのは私。何とかしなよ。しかし…」 「お前さ…ああ…。いやまあ…いいよの。これは俺が何とかするにして、お前さんは先に【シエナの店】に行っててくれないか?」 「………。【シエナの店】。ほい、分かった。早目に終わると良いね、しかし…」 「それなら楽だのお」 「(しかしながらよ?)」 か弱いと言う言葉に疑問符を入れたい天然パーマの男、しかしそれは口に出さずに、天然パーマの男は、軽く右腕を上げて手を振った。
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