お留守番

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お風呂から上がると彼の携帯が鳴っていた。   🎶…ピリリリリリリ…ピリリリリリリ…   彼はズボンをはいて肩にタオルをかけたまま 携帯をとった。   ―ピッ   「はい。もしもし」   上着を着ないまま彼はベランダへ行った。もちろん私もついていった。   🐱…ニャ…(気になるニャ)   すると彼の話声が聞こえてきた。   「あぁ おまえか。うん。わかった 今から行こう。」   ―ピッ そう言って電話を切った。そしてバタバタと着替えを始めた。   🐱…ニャ(どこに行くんだろう?)   彼はスーツではなく ジーパンにTシャツ姿になって玄関へ向っていく。   🐱…ニャ- ニャ-(どこいくの?)   私は彼の足に絡み付いた。すると彼は   「マリア 少し出掛けてくる。大人しく留守番してるんだぞ。」   そう言って また撫でてくれた。それだけで幸せな気分になってしまう。   ―バタン…   彼は行ってしまった。こんな広い部屋で留守番をするコトになってしまった…。   🐱…ニャ-ン(淋しい)   淋しい。彼の匂いが恋しくなる…。私は彼の匂いがある所を探した。   ― トットット…👣   ココは?何だか大きなソファみたい。   ―…ボフッ…   思い切り飛び乗る。すごくフカフカしてて 飼い主様の匂いがいっぱいして 心地良い…。眠くなってきた…。     その日 彼は帰って来なかった…。
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