VAMPIRE

2/2
前へ
/13ページ
次へ
街灯の下 揺らめいて 群がる白い雨と… 止めば光が照らしだす 赤い瞳のヴァンパイア 銀のナイフの切っ先が 手首を舐め回す 赤い飛沫に頬を染め 微かに笑い血を舐める せせら笑う月が憎い 乱れる理性 渇く喉が… 愛しいのは殺す為と? 6番目の『僕』を抱いて 愛しい人は哭くのでしょう あなたの首に誓いのキス 朝には彼は棺の中 たゆたい、はかなく消える理想 月が眠るまで覚めぬ夢… 愛鶴 願い 欠けた祈りに 千を数えず 気付いてしまうだろう 錆びたナイフの切っ先が 心を舐め回す 月読の夜に魅入られた あの子が唄ううたは… 重なる影 胸を絞める 眠る君がそっと笑う 殺したのは愛しいから? 始まりの夜『僕』を抱き 愛しい人は泣きました 赤い雫が枯れる前には 心を杭で貫いて 私蝕む銀の月 眠る夜には夢が醒め 愛鶴 願い 欠けた祈りは 千夜の陰りに終焉を告げた
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加