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冷たい海に身を投じて、気泡の音を聞いた。
彼女が聞いたのと、同じ音。そして、静かに意識が千切れていった。
やがて目が覚めると、海岸にいた。
…生きていた。
千切れゆく意識の中で彼女の笑顔を見た気がした。そして、気泡に混じる心臓の音を聞いた。
生きろと言われたような、生きる事を許された気がした。
手にはアスターの花。
今までよりずっと泣いた。声を上げ、まるで産まれ落ちた赤子のように。
生きる事の喜びと、それを教えてくれた君がいない事に激しく泣いた。
そして生きる事を止めないと固く誓った。君の守ってくれたこの命ある限り。
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