†第二楽章†

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当時、俺の仕事は駆け出しの作詞家だった。何週間も何ヶ月も海外で過ごす事もあった。仕事から帰ると部屋には彼女が居て笑顔で迎えてくれた。いつ帰るかもわからない俺を待っていてくれたから海外へ行く事も嫌ではなかった。そんな2人の時間を大切にしていた。長い間離れていた間のお互いの暮らしや出来事をなるべく細かく話し心配しないようにと気を使っていた。街をぶらぶらとただ歩いたり、夜には手料理を毎日振る舞ってくれて、よく2人で海へ行っては将来を語り、夢を語った。その暮らしが二年続いた。そしていつしか俺は煩わしさを覚えてる様になっていた。気を使い、疲れが取れない生活に苛立ち、それが彼女を苦しめた事も知っていたのに…。離れたくはなかった。だが、仕事に希望を持てる様になってから、その苛立ちは増し、1人の時間が欲しいとゆうストレスを溜めていた。自分の夢を叶える事に集中したかった為に彼女との別れを決意した。
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