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掘り始めてだいたい50㌢程だろうか…。
何かにスコップがあたった感触がした。
暗がりの中小さな金属音が響いた瞬間俺達は顔を見合わせ俺はスコップを、庄太郎は懐中電灯を置きその音がした場所を手で掘り出した。
すると少しずつ鈍い銀色の箱が見えてきて庄太郎は慌てて懐中電灯でそれを照らした。
俺達がちょうど10年前の今日に埋めたタイムカプセルだった。
その証拠に俺と庄太郎の名前と10年前の今日の日付が彫られてあった。
「そういえば、こんな風に名前彫ってたな…」
「あぁ、紳一が『庄太郎が忘れないように』って笑いながら彫ったんだよ。実際掘りだしてみたら忘れてたのはお前の方だったけどな」
土で汚れた手で俺を指差す庄太郎に苦笑いを浮かべた。
「…この箱ってさ。たしかお前の親父が大切にしてたやつ盗んできたんじゃなかったっけ…?」
「そうそう!卒業記念だって言って中身抜いて箱だけ拝借したんだよ。そのあと、見つかってめちゃくちゃ怒られたけどな。…覚えてるじゃない、紳一くん」
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