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「あれ…?紳一?…久しぶりだな。いつ帰ってきたんだ?」
俺がそんなことを考えているとは知らず庄太郎は懐かしい…変わらない明るい声と笑顔で俺に話しかけてきた。
「あぁ…今、着いて…」
明るく振る舞おうとしたが俺は庄太郎の眩しい笑顔の前で、愛想笑いすらできなかった。
「帰ってくるなら連絡くれればよかったのに…。そうだ!高校卒業した時、学校に埋めたタイムカプセル、覚えてるか?」
庄太郎の言葉にうろ覚えだがそんなことをしたな…と思い出す。
たしか10年たったら掘り返そうと約束しお互いの夢と10年後の自分へ書いた手紙を入れたような気がする。
「いい機会だし…掘り返しに行こうぜ」
「え?」
戸惑いながらも庄太郎に手を引かれ俺はそのタイムカプセルを掘り返すために10年ぶりに母校へ向かうハメになった。
―これが俺の不思議な夜への始まりだった―
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