213人が本棚に入れています
本棚に追加
/311ページ
平凡な日常
その力は神の力とも、悪魔の力とも呼ばれた。
人間には持ちえるはずもない力を持った人たちを、羨望と畏敬の念をこめて人々はこう呼んだ、神の悪戯と。
そう呼ばれた理由には力の特殊性のほかに2つある。
1つはまるで能力者が生まれるのは神が定めたかのごとくに、500年ごとという規則性があること。
そして、もう1つは能力者の中に能力を消すという特殊な能力者が存在することだ。
大きな力を与えておきながら、その力を消す力も与えている。
それはまるで神が人間を試しているようにも、もてあそんでいるかのようにも思える。
それが本当に神の悪戯だったのかは未だにわからない。
ただ、一つだけ確かなことは、特殊な力を持ったものたちは確実に存在していたということ、そしてその力を持ったものたちは凡人にはわからない苦しみに、一生苛まれるということだ。
最初のコメントを投稿しよう!