刷り込んだ日

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「いらっしゃい」 車から降りるとばあちゃんが、迎えてくれた。 光と馨は、どーもと軽く頭を下げると、家の中へと入っていった。 素っ気ない態度… 妹の秋は案外懐いていたが、光らは昔から母方のばあちゃんは苦手だった。 仕切りを跨ぐ時、出っ張ったとこ踏むな! 好き嫌いするな! ズボンを上げろ! 勉強しろ!…と口煩いからだ。 早々と中に入った二人は、コタツの中へ足を突っ込んだ。 季節はすでに秋から冬へと変わり、肌寒い時期。 ばあちゃんが苦手というより、寒いから! というのが、すぐさま家へと入っていった1番の理由だった。
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