刷り込んだ日

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「う~サブい…」 光は田舎の定番といったコタツの上のせんべいにかじりついた。 「あんたらちゃんとばあちゃんに挨拶したの!?」 いつの間にやら光の後ろにいた昌子は少し怒りながら言った。 「しただろ?」 光は直ぐさま反論し、またせんべいを食べ始めていた。 昌子はまったく、とため息をつきながら線香をあげるべく仏壇へ向かった。 しばらくせんべいを食べていると、 「あ~ら、いらっしゃい!」 母の姉、圭子がやってきた。 光と馨は苦手なわけではないが、またどーもと軽く頭を下げた。 「大きくなったわねぇ…どっちが馨くん?光くん?」 圭子は二人を見回した。 「馨です」 「光!」 二人は名乗り、それを見て圭子は満足そうに頷いた。
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