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「ごめんなさい」
ここはケビンの家。いや、家というよりは小屋に近い。
イスに座って足を組むエミリアの足元で、頭をこすりつけて謝っているのはケビンだった。
「エミリア、もうこの辺にしてやれよ」
エミリアをなだめるクラーケル。
「嫌よ」
こればっかりは許さない。と言わんばかりのしかめっ面。
対してラネッシュは、悪戯(いたずら)っぽく、
「俺はてっきり『あら坊や、そんなに私の胸が触りたいの? 』とか言って、無い胸でも触らせるのかと思ったぜ」
すると、エミリアは立ち上がってラネッシュに近づく。
「だって、胸触られるの…は、初めてだったのよ!? 」
そう言ってラネッシュの顔目掛けて拳を突き出す。
しかし、ラネッシュはそれを避ける。
「それに……、無い胸って……どういうこと? 」
今度は言いながら二発。
「そのまんまの意味だが? 」
言って、ラネッシュはこれも避ける。
「もう、どうして避けるのよっ! 」
「お前が攻撃するからだろ」
ラネッシュは正論を述べる。
じゃれ合う二人を余所に、クラーケルは言った。
「とりあえず自己紹介しないか? 」
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