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「あの人、なんか変わった服着てるわね」
エミリアの視線の先には、白地に藍色で柄を染めた木綿の単衣物を着た女性の姿があった。
それを見てアネットが言う。
「本当ですね、和風の旅館等で着させてもらう服に似ています」
「あれは、ここの民族衣装で、浴衣っていうんだ」
ケビンが説明する。
「ここは交易の街で、外から色んな人が来るから今となっては着てる人は少ないんだけどね。……そうだ。浴衣着てみたら? きっとスッゴク似合うと思うわ」
ルーシーがエミリア、アネットの二人に進めた。
「え、着れるの? 」
二人は目を輝かせている。
これにはケビンが答える。
「もうすぐお祭りがあるんだ。だから今の時期無料で浴衣が借りられるんだ」
「よし、そうと決まれば早速着付けに行くわよ! 」
「まずは俺達の宿捜すんだろ? 」
ウキウキ気分のエミリアに、ラネッシュは釘を射す。
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