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この頃の政府頭首の皇子にして、第十八皇位継承者、エドワード・ラ・ベグラードが、その妹シャーリーと共にレジスタンス側の地、ウル・ドランに来た。
レジスタンス。と言っても、これは、あくまでウル・ドラン側からの名称である。
政府から見ればただのテロリストだ。
兎にも角にも、その噂が流れたとき、多くの人々は首を傾げた。
平治であれば解る。
また、真っ当な外交関係を結んでいる土地同士であれば理解できる。
しかし、今は戦時中だ。
政府の、というより、父親である第十七皇帝シャルル・ラ・ベグラードの意図をはかり兼ねる。
加えて、エドワードとシャーリーは、列記としたファルガイヤの皇族であるということ以上に、その年齢が問題だった。
エドワードは御歳九歳。シャーリーは二つ下の七歳。いずれも留学には幼過ぎる。
それ以外にも、エドワード達を受け入れたレジスタンス側の意図も解らない。
いや、それだけは明確だった。
ヒトジチ――
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