Chapter:A.1【目の見えない少年】

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そいつは、まるで立てたクッションのように不細工な、ずん胴の獣だった。 ラネッシュはサブマシンガンを発砲するが、弾き返された。 「コイツ、魔法でも使うのか? 」 サブマシンガンは不向きと考えたラネッシュは、ナイフに持ち替える。 すると、その両脇から突然、熊のように太い両腕が伸びた。 本体は棒立ちのまま、鞭のように伸びたその両腕は、ラネッシュを挟み潰すように両脇から迫る。 「ッ!」 気合いと舌打ち一声、ラネッシュは地面を蹴って右に飛ぶ。 すると、キメラは口から台風を圧縮したような塊を、ラネッシュ目掛けて放つ。 アネットの防御魔法で間一髪それを防いだ。 「クラーケル!」 ラネッシュは遠距離魔法を使えるクラーケルに助けを求めた。 「今やってる」 そう言うと、クラーケルの手に火の球が現れた。 すぐさまそれを放つ。 キメラは赤色の炎弾の直撃を受け、キメラは一目散に森へ逃げて行った。 「もぅ、一体何なのよっ!! 」 エミリアは愚痴をこぼした。
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