107人が本棚に入れています
本棚に追加
そいつは、まるで立てたクッションのように不細工な、ずん胴の獣だった。
ラネッシュはサブマシンガンを発砲するが、弾き返された。
「コイツ、魔法でも使うのか? 」
サブマシンガンは不向きと考えたラネッシュは、ナイフに持ち替える。
すると、その両脇から突然、熊のように太い両腕が伸びた。
本体は棒立ちのまま、鞭のように伸びたその両腕は、ラネッシュを挟み潰すように両脇から迫る。
「ッ!」
気合いと舌打ち一声、ラネッシュは地面を蹴って右に飛ぶ。
すると、キメラは口から台風を圧縮したような塊を、ラネッシュ目掛けて放つ。
アネットの防御魔法で間一髪それを防いだ。
「クラーケル!」
ラネッシュは遠距離魔法を使えるクラーケルに助けを求めた。
「今やってる」
そう言うと、クラーケルの手に火の球が現れた。
すぐさまそれを放つ。
キメラは赤色の炎弾の直撃を受け、キメラは一目散に森へ逃げて行った。
「もぅ、一体何なのよっ!! 」
エミリアは愚痴をこぼした。
最初のコメントを投稿しよう!