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「鈴姉さん。気をつけて楽しんできてね」
ポンポンと頭を叩く。立場が逆と思うのだが、口は閉じとく。
昔から、妹に口で勝てたことはない。と言うより、料理と裁縫以外はほとんど負けているきがする。
「ありがと。お土産期待しててね」
「楽しみにしてるよ。今日は確実に揺れるからさっさと寝なよ」
「分かってる」
優しい気遣いに感謝。船に乗り込もうとする私に、妹が声をかける。
「鈴姉さん」
雲が切れ、半月が綺麗に輝く。風は相変わらず強く、並みが高い。
「なーに?」
振り向くと、妹はニッと、笑い手を軽くふる。
「知らない人についていかないよーに」
「・・・💢」
後ろにいた青年が、笑いをこらえて隣を通りすぎた。
「・・・行って来るね」
妹にしか見えないように、舌をだし船に乗り込んだ。
大人げなかったかなぁ。と少々反省しながら。
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