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まぁいくら考えたって答えが出るわけでもないし。いっか。
聞きやすい質問でもしてみることにした。
「それはそうとどうやって屋根に?お前の家からじゃジャンプしても届かないだろ」
「えっと、電柱を登ってね。えへへ」
ふーん、そうなんだ。しかし笑顔はかわいいな。
「裕ちゃんに会いたかった結果なんだよー」
紫音の表情は笑顔のまま変わらない。久しぶりの出会いが紫音を満足させているのかな。
「あ、そうそう、見て見て裕ちゃん」
「……何じゃこりゃ」
「裕ちゃんの寝顔ちょーかわいかったから写メ撮っちゃった」
「……」
こいつはどこまでやってるんだろう。俺は撮られるより撮る側の人間なのさ。
「貸しな」
紫音から携帯を奪い取ると目にも止まらぬ早さで俺の写真を全て消した。
「アッー!」
紫音の卑劣な声が響く。
というか写真撮りすぎだよ。
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