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「すみませーん」
「はーい」
家のドアが開く。どこかで見たような女の人が体を乗り出す。気のせいかな?
「ん?その顔……もしかして裕大君?」
「え?どうして俺の事を」
見たことのある女の人にそう言われた時、その背後に一人の女の子が立っていた。
サラッと綺麗な背中まで伸びる黒髪、くりっとしたつぶらな瞳、美しい顔立ちはまさに美少女……いや、若干幼い感じが。
「まさか……裕ちゃん?」
「え、裕ちゃん?」
「裕ちゃん、あたしの事忘れたとは言わせないわよ」
裕ちゃん、その呼び名はかつて中学校時代までに一人にしか呼ばれた事がない。という事は……
「紫音か!」
「裕ちゃん、会いたかったよぉ!」
もう会えない、そう告げられてから3年、俺達は再会した。
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