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「あぁ~やだなぁ~何で失敗しちゃったんだろ~…」
朝の教室のドアの前でブツブツ喋る。
どうしても入るのが躊躇ってしまうから。
「木谷くんだけには見られたくない…見られたくないぃ……ん?」
前髪を押さえながら悶々としていたら誰かに肩を叩かれた。
「おはよう愛川さん」
「うあ!?…あ、おは、よ。木谷くん…」
よりによって一番見られたくない木谷くんに出会ってしまった…!
あぁでも今日も格好いい…
「愛川さん?大丈夫…?あ、前髪押さえてどうかしたの?」
「え!あ、いやこれは~…」
「前髪切りすぎた」なんて言うの恥ずかしいよ!
「……前髪短くても似合ってるよ?じゃ、先に教室に入るね」
木谷くんはそう言って教室の中に入っていった。
「ええぇ!?なんで分かったの!!?」
暫く私は呆然と突っ立っていた。
切りすぎた前髪
(好きな子のことなんだからすぐ分かるよ)
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