『ごめんなさい』

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  ウチが風邪引いた時 あんたはバイト後で 疲れてたはずなのに ヨーグルトとジュース片手に 会いに来てくれたね。 ウチの誕生日は 台風が接近してて 大雨で雷も鳴ってたのに それでもあんたは ケーキとプレゼント持って 会いに来てくれたね。 あんたみたいに 優しいヤツは めったに居ないよ。 なのに──… 何でだろう……? あの頃のウチは 自分のことしか 考えきれなくて 本当に…どうかしてた。 あんたの優しさを あの頃のウチは 『ウザイ』って… そう感じてしまった。 別れた後も度々くる あんたからの着信が 何か嫌になっちゃって… 電源を切ったこともあった。 ウチは最低な人間です。 あの頃のウチは… 本当に馬鹿だったと思う。 この前、偶然街中で 久しぶりにあんたの姿を見た。 あんたの隣には 別の女の子が居て… 幸せそうに笑ってた。 あんたと居た頃… ウチも今の彼女みたいに 幸せそうに笑ってたかな? あんたと別れた後 ウチも何人かと付き合った。 でも──… 何か駄目なんだ… 幸せを感じられない… 何かが足りない。 その時、初めて… あんたの優しさに気付いた。 あんたは前に進んでるから 今更、何言っても無駄だけど 最後に一言だけいいかな? あんたに伝えたい 最後の言葉は… 『ごめんなさい』  
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