77人が本棚に入れています
本棚に追加
/206ページ
「飽きないもんだね。」
「よくもまぁ、毎日続くね。」
そんな周りの声を気にすることなく田中は綾乃を教室まで送る。それが、田中の日課だ。
「昼休みにまた迎えにきますから。」
ただ、それだけ言って頬に軽くkissをして自分の教室に向かう…。
周りには、そう見える…━━が、実際は「愛してますよ。」と綾乃に囁いている。
それが、今日は様子が違う。
「ちょっと待って。」
「どうしました?」
綾乃が引き留めた…。
「飽きた…━━。」
綾乃はただそれだけ言った。
「分かりましたよ。激甘コースに変更します。」
コース…妙な言い方だ。
「コースとかあるの?」
「我儘な私の姫君のためです。今まで甘コースでした。疲れましたよ。激甘が好みなのにしないのは…。」
ちなみに、甘甘コースもありますがどうします?そう綾乃にだけ聞こえる声で付け足した。
「…っ…━━激甘コースをお願い。」
耳まで赤らめてそう言った。
「かしこまりました。」
そう言うと田中は微笑んだ。
最初のコメントを投稿しよう!