第一章‐送り迎え‐

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「飽きないもんだね。」 「よくもまぁ、毎日続くね。」 そんな周りの声を気にすることなく田中は綾乃を教室まで送る。それが、田中の日課だ。 「昼休みにまた迎えにきますから。」 ただ、それだけ言って頬に軽くkissをして自分の教室に向かう…。 周りには、そう見える…━━が、実際は「愛してますよ。」と綾乃に囁いている。 それが、今日は様子が違う。 「ちょっと待って。」 「どうしました?」 綾乃が引き留めた…。 「飽きた…━━。」 綾乃はただそれだけ言った。 「分かりましたよ。激甘コースに変更します。」 コース…妙な言い方だ。 「コースとかあるの?」 「我儘な私の姫君のためです。今まで甘コースでした。疲れましたよ。激甘が好みなのにしないのは…。」 ちなみに、甘甘コースもありますがどうします?そう綾乃にだけ聞こえる声で付け足した。 「…っ…━━激甘コースをお願い。」 耳まで赤らめてそう言った。 「かしこまりました。」 そう言うと田中は微笑んだ。
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