第二話‐G組のクラス事情‐

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「あの話…━━本当ですか?」 時間を作り勉強を教えている田中に女子生徒は聞いた。 「あの話…━━?何のことです?」 「フランス留学ですよ。」 「あぁ…それなら、夏休みの話なんで安心して下さい。」 そう言うと、田中はニッコリ微笑んだ。女子が見れば確実にドキッとする微笑み…━━。ただしこの時は例外だった。 「夏休み?そんな時期に留学なんて、なに考えてるんですか?」 「綾が許可した事です。それに別に大した事じゃありませんよ。」 「まぁ、二人が大丈夫なら文句言いませんが…━━。けど、別れるなんてこ…━━」 「無論、問題ありません。それに問題あるような事は綾は許可するはずありません。」 問題あっても文句言えない…━━そんな微笑み方だった。 「分かりました。私は何も文句言いません。」 「…━━留学先から手紙出しましょうか?」 そう心を見透かした様に田中は言った。 「…━━っ…━心読まないで下さい!!」 「成海君じゃありませんから、読めませんよ!」 読めないならなぜ? 「じゃあ、どうして…━━。」 「…クラスメイトである君と接点を切りなくなかったから。なん…━━」
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