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「あの話…━━本当ですか?」
時間を作り勉強を教えている田中に女子生徒は聞いた。
「あの話…━━?何のことです?」
「フランス留学ですよ。」
「あぁ…それなら、夏休みの話なんで安心して下さい。」
そう言うと、田中はニッコリ微笑んだ。女子が見れば確実にドキッとする微笑み…━━。ただしこの時は例外だった。
「夏休み?そんな時期に留学なんて、なに考えてるんですか?」
「綾が許可した事です。それに別に大した事じゃありませんよ。」
「まぁ、二人が大丈夫なら文句言いませんが…━━。けど、別れるなんてこ…━━」
「無論、問題ありません。それに問題あるような事は綾は許可するはずありません。」
問題あっても文句言えない…━━そんな微笑み方だった。
「分かりました。私は何も文句言いません。」
「…━━留学先から手紙出しましょうか?」
そう心を見透かした様に田中は言った。
「…━━っ…━心読まないで下さい!!」
「成海君じゃありませんから、読めませんよ!」
読めないならなぜ?
「じゃあ、どうして…━━。」
「…クラスメイトである君と接点を切りなくなかったから。なん…━━」
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