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アキラはまだ言ってくるセイジを無視し、マオへ向き直ると肩に手を置き真剣な顔付きになり
「本当に、何もされてないか?」
小さく頷くと息を吐き、そっと肩から手を離した
それを見てまたセイジは何かを言っていたが、アキラはそれを制すると部屋から連れ出していった
「もうすぐ御飯だからね」
という去り際の台詞に、マオは少し気持ちが緩んだ気がした
セイジは、今まで会ったことのない人間だと感じたのだ
勿論、アキラもそうである
だがセイジは、あまりに違い過ぎたのだ
どこか、黒く、暗く、そして何かどろどろしたものが溜まっているような
ただ接しているだけではわからないもの
どうしてそう感じるのか、マオ自身よくわからない
けれども、少しだけ恐怖を感じた
―…友達が出来るのは、嬉しいけど…
暫くその複雑な気持ちをぐるぐるとさせていた
しかし
「御飯の仕度が出来たよ」
と声を掛けられたため、一旦気持ちを落ち着かせるためにも、猫たちを連れてアキラの元へ向かった
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